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【  2013年04月  】 

月下美人 ~夜会にて~

幕間

2013.04.26 (Fri)

  その夜会に、好きで出席したわけではなかった。夫に同伴しただけのことだ。だからわたしは退屈で仕方がなかった。  夫は顔見知りの紳士と先ほどから話し込んでおり、わたしの存在はすっかり忘れ去られている。社交界は苦手なので、親しい顔もこの中にはいない。舞踏の輪へ入る気にもならず壁の花となって立ち尽くしていたが、見苦しい上に邪魔なので踊りの誘いを待つ椅子に仕方なく座った。最も端の、目立たないこの位置で顔を...全文を読む

幕間

2013.04.26 (Fri)

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幕間

2013.04.26 (Fri)

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幕間

2013.04.26 (Fri)

  長椅子で眠る白い顔を見つめ、アルフレッドは我知らず微笑んだ。初めての、二人きりで過ごす静かな時間だった。  ジュリアンは、チャーリーとハリーが張り切って用意した昼食を珍しいほど口に入れた。食後には紅茶を飲み、いつになく穏やかな表情でアルフレッドの肩に凭れ、眼を閉じた。遠出に少し疲れているのか、あるいは昼間の活動に慣れていないからなのか、やがて寝息を立て始める。すべてを委ねてくるその重みが愛しく、...全文を読む

幕間

2013.04.26 (Fri)

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第三十九夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

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第三十八夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

  枕元から薔薇が香っている。淡い紫はあまり見たことがない色で、これだけの束となるとかなり値が張るのではないか。聞けば、門の前に置かれていたという。贈り主の名も、伝言メッセージらしきものも無いとのことだ。珍しい高価な薔薇を、黙って置き去ったのは誰なのか。見当もつかない。花には罪がありませんでしょうと笑いながらチャーリーが飾ってくれたが、少し複雑な気分だった。それでも自室はやはり気持ちが落ち着くようで...全文を読む

第三十七夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

  黒塗りの箱馬車が城の敷地を出て行く。見送る影は少なかった。赤毛をおさげにした、少女の面影を残す小間使いが一人、やはりまだ若い下男が一人。この城の主に仕える執事が一人。それだけだ。  今夜は月が出ていない。厚い雲に覆われて、顔を出すことすら無かった。  小間使いの娘は、走り去る馬車の後姿をいつまでも見つめて動かなかった。やがて下男に促され、敷地内に入って行きながらも背後を名残惜しげに振り返る。御者が...全文を読む

第三十六夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

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第三十五夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

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第三十四夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

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第三十三夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

 「アスランが来なくなったの」  絹とレースの豪奢な布地に包まれた女が開口一番に言った。  夜会の隅。女は天鵞絨びろうどの長椅子に腰掛けたままジュリアンを見ようともしない。周囲には男が何人か侍っている。取り巻き連中だろう。 「最近は夜会にすら姿を見せなくなったわ。もう長いこと顔も見ていないのよ」  返答せず黙っているジュリアンに構わず、女は言葉を続ける。隣に座っていた男が差し出す葡萄酒の杯グラスを押し返...全文を読む

第三十二夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

  振り向くと、見知らぬ男が立っていた。陽に焼けた顔や、衣服の上からも見て取れるほど筋肉が盛り上がった体格からして、労働者階級であることが判る。剪定用の鋏らしきものを手にしているところを見るとどうやら庭師らしい。 「おはようございます。散歩ですか? 薔薇の季節が漸く始まりましたね」  言いながら、手近の一輪に鋏を入れる。ぱちんと小気味良い音を立て、枝が切られた。す、と手にしたそれを差し出し、男は再び笑...全文を読む

第三十一夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

  男は仕事の手を止めてそちらを見やった。曇天の午前中。この城で庭師の仕事にありついてからさほど日が経っていないとはいえ、陽が昇っている時間帯に人影を見るのは初めてだ。  どこかが、いや、すべてが異常で狂っている、そんな印象を受ける城だった。給金は平均的な庭師のものと比べれば遥かに高く、文句のつけようがない。待遇もこれ以上ないほどに恵まれている。しかし、何かがおかしかった。空気そのものが澱み、濁って...全文を読む

第三十夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

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第二十九夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

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第二十八夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

 「エマ、君も早く休め。直に夜が明ける」  フレデリックの気遣いに、娘は微笑んだ。漆黒のアフタヌーン・ドレスに純白の長い前掛けを着け、頭にキャップを被った由緒正しいハウスメイド姿だ。頬に薄く散ったそばかすや赤毛にはまだ少女のあどけなさが残っている。 「わたくしは“穢れた血”です。一族の遺伝子は四分の一だけ。陽光も怖くありませんわ」  おどけて答える表情に暗さや自嘲めいたものは感じられない。気立ての良い娘...全文を読む

第二十七夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

 「あの女、そんなことを言いやがったのか」  誰かの話し声が聞こえている。それは水底から響いているかに思えた。徐々に記憶が蘇って来る。罵る声と冷たい水の感触。あの女……?  思い出した。あの女は部屋にやって来たかと思うといきなり、アスランは何処、と怒鳴ったのだ。勘違いだ、何も知らないと答えても聞き入られることはなく、ただ詰られた。  “あのひとをどこへ隠したの。中に居るんでしょう”  恐ろしい顔でそんなこと...全文を読む

第二十六夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

  ――すっかり遅くなっちまったな。  フレデリック・ウィーズリーは、走り出して間もない馬車の窓からぼんやりと外を眺めていた。長老の城で開かれた夜会の帰路である。宴の途中で抜け出し、小間使いと密会していたらすっかり深い時間になっていた。待ちくたびれた従者がぶつぶつと文句をたれていたが、言い訳するのも面倒だった。女がなかなか離してくれず、次も逢ってくれるかとしつこく迫るのを宥めるだけで疲れ果てていたから...全文を読む

第二十五夜

苦界

2013.04.25 (Thu)

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第二十四夜

苦界

2013.04.24 (Wed)

  場内に緊張が走る。城の主が現れたのだ。一族から長老と呼ばれ畏怖されていても、外見だけなら老人と呼ぶには若すぎた。夜会服に身を包んだ端正な立ち姿は、人間でいえば五十代の後半ぐらいに見える。ただ、その整った面差しも、丁寧に撫で付けられた銀髪にも温かみがまるで無い。灰色の瞳は冷たく酷薄な光りを放ち、対面するものは背筋の凍る思いをすることだろう。  取り巻き連中がさっそく寄ってくる。長老の傍らに所在無く...全文を読む

第二十三夜

苦界

2013.04.23 (Tue)

 「この間の晩餐で、豪いものを見たぜ」 「えらいものって何だ。よほどいい女でもいたか?」  長老の城で開かれた夜会の片隅で男が二人、声を潜めて会話を交わしている。 「長老のお気に入りだって噂のあれだよ。ああそうか、おまえ渡航してたから知らないのか」 「一週間前に戻ってきたばかりだが、噂は聞いた」 「俺はそのお気に入りの、斜め向かいの席でさ。至近距離で見たわけだ。驚いたね。ど豪い別嬪だったよ」 「待てよ。そ...全文を読む

第二十二夜

苦界

2013.04.23 (Tue)

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第二十一夜

出逢い

2013.04.22 (Mon)

 「気を失うまで可愛がってやるよ」  スコットの口元に残忍な笑みが浮く。組み敷いた身体の抵抗がさらに激しくなった。力の差は歴然で、どれほど暴れ、もがこうとも決して敵わないことは分かっているはずだ。それでも抗うことを止めず、逃れようとする様が情欲を掻き立てた。  襯衣に手をかけ、残った釦を引き千切ると、積もった雪を巻き上げるほど暴れていた細身から急に力が抜けて大人しくなった。気を失ってしまったのかと思っ...全文を読む

第二十夜

出逢い

2013.04.22 (Mon)

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第十九夜

出逢い

2013.04.22 (Mon)

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第十八夜

出逢い

2013.04.22 (Mon)

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第十七夜

出逢い

2013.04.21 (Sun)

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第十六夜

出逢い

2013.04.21 (Sun)

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第十五夜

出逢い

2013.04.21 (Sun)

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